いつもサロン・ド・サセをご愛顧いただき、ありがとうございます。
少ーし重いタイトルとなってしまいましたが(笑)宝飾に携わる立場として非常に大切なことだと思いますので、真珠を購入する際の注意喚起も兼ねてお客様にお伝えさせていただきます。
真珠に関する「花珠」表記について
アコヤ真珠の販売において、よく耳にする「花珠」。
「最高品質の真珠=花珠」という印象を持たれる方も多いかもしれませんが、実はこの「花珠」という表現は製品化されたアコヤ真珠に用いられる用語ではありません。
「花珠」の本当の意味は、「アコヤ浜揚げ珠のうち最も品質の優れたもの」を示す用語であり、製品のグレードを示すものではないのです。
花珠とは、アコヤ浜揚げ珠(貝から取り出した未加工の真珠)のうち最も品質の優れたものを表す用語です。鑑定や製品に用いられる用語ではございません。
統一された品質基準がないにも関わらず、独自の鑑別機関が発行している「花珠鑑定」「花珠鑑別」というものが行われ、元々の「花珠」の意味と異なるアコヤ真珠が「花珠」として扱われていることが非常に多いです。つまり、Aという鑑定機関が出す「花珠」とBという企業が出す「花珠」には、ブレがあるということです。極端な話ですが、どのような真珠にも「これは”花珠”だ!」と言えてしまう状況なのです・・・。
定義が曖昧なため、お客様への販売時に「花珠がついているから、最高品質の真珠です」と説明するのは、販売店として説明不足です。また、お客様へ誤解や混乱を生じてしまうことにつながり、この状況が続くとお客様に対しての信用問題だけでなく、世界中から愛される日本のアコヤ真珠全体の信用問題にも発展してしまうかもしれません。
真珠の主な品質評価項目
本来、鑑定(グレーディング)が行えるジュエリーは、「ダイヤモンド」のみであるというのは世界の宝飾業界における統一の認識です。
基本的にそれ以外のジュエリーには品質評価を行う鑑定書をつけることはできません。
代わりに、鑑別書をつけることができますが、石(珠)の寸法や産地、重量、天然/人工の証明など科学的根拠がある内容が記載されており、品質評価は行うことはありません。
では、真珠はどのように評価されているのでしょうか?
真珠の主な評価項目は、①形②キズ③マキという真珠そのものの品質や希少性による面と④色⑤サイズ⑥形という好みや価値観による面によって評価されます。
しかし、これは必ずしも絶対値で評価されるものではありません。
それは、6項目の中で数値化できるものがあっても、数値が高いからと言ってそのまま真珠の美しさに結び付くわけではないからです。また、国や地域、時代のニーズなどによって評価が変わり非常に多様で相対的というのも理由です。
わかりやすい指標がない分、真珠はそれだけ「複雑」で「あなたらしさ」が大切なジュエリーということです。
真珠のことは、真珠のプロが在籍する「サロン・ド・サセ」へ
真珠の品質や美しさを判断するうえで、まず大切なのは直接お客様のご自身の目で見て、見比べること。
そして、真珠の複雑さを正しく理解し、お客様の価値観や好み、目的にあわせて最適なジュエリーの提案ができる「真珠のプロ」の説明が不可欠だと考えます。
私たちは真珠のプロとして、正しい知識をお客様にご説明できるように、全スタッフが一社)日本真珠振興会認定「真珠検定ジュニアアドバイザー」の資格を有しており、また、専務取締役の佐瀬キヨ子は「真珠検定シニアアドバイザー」の資格を有しており(栃木県で2名のみ)、真珠に関する勉強会なども行っております。
日本が世界に誇るジュエリー真珠の魅力をこれからも誠実に発信してまいりますので、ぜひ、サロン・ド・サセでたくさんの真珠を並べて見比べて、心がときめく真珠に出会ってください。
参照:
日本真珠振興会HP
日本ジュエリー協会HP