ルビーとはどんな宝石？

7月の誕生石ルビーの特徴は、何といってもその情熱的な赤い色。すべての人の心を捉えて離さない魅惑の赤です。ダイヤモンドに次ぐ硬度のコランダムに属し、最高級のルビーは「ピジョンブラッド」と呼ばれています。コランダムといえばサファイアが有名ですが、赤いコランダムをルビー、そのほかの色のコランダムをサファイアと呼んでいるのです。

最高品質のルビー「ピジョンブラッド」はミャンマー産で、文字通りハトの血のような鮮やかな赤色のルビーです。「ピジョンブラッド」とはイギリスの王室がミャンマー産ルビーに与えた色名。ミャンマーのモゴック鉱区で産出し、蛍光性を持つ美しい赤色と高い透明度を持つことがピジョンブラッドの条件です。鮮やかな赤色はクロムによるものですが、赤色が濃くなりすぎて黒味が入ったものは排除されます。黒色の原因は鉄の不純物。鉄分が極端に少ないのもピジョンブラッドの特徴なのです。
「ビーフブラッド」と呼ばれる鉄分を含んだものはタイ産に多く、スリランカやベトナムなどで産出される「チェリーピンク」と呼ばれるピンクに近い赤のルビーは、ピンクサファイアと混同されることもあります。

「スタールビー」は、希少なルビーの中でもさらにレアな星の見えるルビーです。ルビーに酸化チタンの針状結晶が混ざることで３条の反射光が交差して星状に見え、スタールビーと呼ばれるのです。この反射光を「スター効果」といい、ルビーやサファイアのほか、ガーネットやスピネルにもあります。スターが鮮明に出現するようカボションカットに仕上げられます。

ルビーとサファイアはコランダムに属し、鉱物学的には酸化アルミニウムの鉱物です。サファイアはブルーというイメージが強いですが、実は様々なカラーがあり、ルビー以外のコランダムを全てサファイアと呼んでいます。コランダムにクロムが混入すると濃い赤色のルビーになり、鉄やチタンが混入すると青色のサファイアとなります。クロムが1％程度含まれると赤く発色してルビーとなり、0.1%しか混ざっていない場合は薄い赤色の「ピンクサファイア」となります。1%以内という微妙なバランスのクロム含有割合が、非常に稀な状況下でしか起こらないため、天然ルビーは貴重とされるのです。