日本の美 三大宝飾展 〜海からの贈り物〜
3月5日(土)、6日(日)10:00〜19:00
サロン・ド・サセイオンモール小山店にて、2日間開催します。
今回のブログは、より楽しんでいただくために「珊瑚」「螺鈿」「蒔絵」についてのミニ講座です。
知っているのと知らないのでは見方がかわります。
「珊瑚(さんご)」
3月の誕生石として知られるサンゴは、日本では古くから魔除けやお守りとして用いられてきました。
良質なサンゴが採れる日本では、加工技術が発達しジュエリーや彫刻、念珠などに利用されてきました。
厄除けにサンゴ製品を贈る習慣もあり、厄年を迎える女性にはサンゴの念珠やネックレスなどのジュエリーを贈り、難を逃れるよう肌身につけられてきたのです。
宝石になるサンゴと普通のサンゴの違い
宝石サンゴとサンゴ礁を形成する造礁サンゴは別物で、サンゴ礁が太陽の光の届く浅瀬に形成されるのに対して、宝石サンゴは陽の光の届かない水深100m以上の深海でゆっくりと成長します。
幹の直径が1cm成長するのに50年かかるともいわれています。
サンゴのカラーバリエーション
サンゴの色は血赤サンゴと呼ばれる濃い赤から朱色のベニサンゴ、淡い色合いのエンジェルスキン、純白の白サンゴと、さまざまな紅色のグラデーションがあります。
高知県土佐沖で採れる良質の血赤サンゴはヨーロッパでは「Tosa」と呼ばれ、たいへん価値の高いものとされています。
オックスブラッドとも呼ばれる濃色の赤は肌を白く見せ、装いをきりりと引き締める効果があります。
淡いピンクのエンジェルスキンは優しい色合いで、フォーマルにもカジュアルにもあたたかな温もりを添えてくれる使い勝手の良いジュエリーです。
さわやかな白サンゴは、とろりとしたやわらかなトーンの白が他の宝石にはない質感と色味で、きめ細かな日本人の肌を美しく見せてくれます。
代々使えるサンゴ念珠
サンゴのお念珠には「念が入らない」と言われており、子供や孫に受け継ぐことができる唯一の素材とされています。
長年使っても磨きなおせば新品の状態に戻ることも代々使えるポイントです。
深海で長い時間をかけて育ったサンゴには塩分が含まれるため、仏事でのお清めの効果もあるとされています。
「螺鈿(らでん)」「蒔絵(まきえ)」
日本の伝統技法を駆使した、妖艶なきらめきを放つ華麗なジュエリー
見る角度によって青、ピンク、紫……とさまざまな色を見せる貝殻の輝きを生かした螺鈿(らでん)。
虹色に反射する螺鈿特有の輝きは夜光貝や蝶貝、アワビを原料とし貝殻の内側の真珠層を板状に切り出したもの。
金粉をちりばめた蒔絵(まきえ)。
永坂景子氏は、日本の伝統工芸をシルバーやゴールドなどの金属に施した、独創的なジュエリーを制作、美しい輝きを世界へ発信しています。
永坂氏を突き動かしているのは「自分にしかできないオリジナルのアートを生み出したい、それを多くの人に触れてほしい」という熱い思いです。
永坂氏のジュエリーの特徴は、漆に螺鈿と蒔絵を施したデザインが特徴
漆を重ねては研ぎ出す作業を繰り返し大変な作業
昆虫や植物などを象ったものから宝石や琥珀の形をいかしたデザインまで縦横無尽に扱い個性を際立たせています。