宝石の産地について！あの宝石はどこで採れる？

2020.08.18｜アレキサンドライト, エメラルド, ジュエリー豆知識

世界の宝石産地MAP：（株）PR現代発行ジュエリースタイルマガジン『Hills』VOL.25号より

栃木県小山市の「サロン・ド・サセ」では、結婚指輪（マリッジ）、婚約指輪（エンゲージ）ともに豊富に取り揃え、小山を中心に近隣の栃木市、下野市、茨城県古河市などからもたくさんのカップルさまに指輪選びにお越しいただいております。

今回は宝石の産地についてお話ししたいと思います。
食品や日用品については、神戸牛がおいしいとか、スペインの革製品が質が良いなどポピュラーな情報だと思いますが、宝石については漠然とアフリカとか南米、東南アジアが有名かな、と曖昧なイメージで捉えている方が多いのではないでしょうか。
宝石はその種類によって産地は色々です。

それぞれの地域によって個性も特質も違うので、宝石ごとにおよその産地を知っておくと、「はるばる地球の裏側から運ばれてきたのね」などと、イマジネーションが湧いて楽しいものです。
地球の成り立ちや地質学にも触れられて、ジュエリーに対する愛着が一層深まります。

ダイヤモンド

現在ダイヤモンドが採掘されているのはロシア、アフリカ、カナダなど。
アフリカではボツワナやコンゴなど複数の国と地域で採掘が進められています。
かつてはインドやブラジルで盛んに採掘されていましたが、徐々に採掘量が減り、新たなエリアに移ってきています。
そもそもダイヤモンドが採掘されるのは、地球の火山活動が非常に活発であった時期にすでに存在していた陸地です。
9億年以上前に地球の奥深くで作られたダイヤモンドが、その後長い時間をかけて地表に近い部分まで上がってきたものを採掘します。
今のところ人間がダイヤモンドを採掘できるのは、マグマとともに地表近くまで上がってきたポイントのみで、世界でもごく限られ地域だけなのです。

サファイア

写真：（株）PR現代発行ジュエリースタイルマガジン『Hills』VOL.25号より

サファイアの産出国として知られるのは、インドやミャンマー、タイ、スリランカ、オーストラリアなど。
中でももっとも高級だとされているのがインドとパキスタンの国境に位置するカシミール地方で産出されるサファイアです。
ルビーとは鉱物学的に同じコランダムに属しています。
サファイアは、深い青色のイメージがありますが、実はさまざまな色のサファイアが存在します。
コランダムに含まれるクロムの量によってルビーにならなかったものは、すべてサファイアで、ブルー以外のサファイアは「ファンシーカラー」と呼ばれています。
ファンシーカラーのサファイアの中で有名なのはパパラチアサファイア。
パパラチアは、スリランカのシンハラ語で「蓮の花」のこと。
オレンジがかったピンクの美しいサファイアです。

ルビー

ルビーの産出国はミャンマー、スリランカ、タイ、ベトナムなど。
もっとも高価なのがミャンマー産のルビーです。
その中でも「ピジョンブラッド」と言われる、鮮やかな深紅のルビーが最高級とされています。

エメラルド

写真：（株）PR現代発行ジュエリースタイルマガジン『Hills』VOL.25号より

エメラルドの産出地域は広く、南極以外の6大陸におよびます。
中でも南米大陸のコロンビアは最も産出量が多く、素晴らしい品質のものが産出されます。
他にもザンビア、ブラジル、ジンバブエ、マダガスカル、パキスタン、インド、アフガニスタン、ロシアなど多くの地域で良質のエメラルドが産出されています。

パール

日本が誇るアコヤ真珠の生産地はおもに、三重県「伊勢・志摩」、愛媛県「宇和島」、長崎県「壱岐・対馬」の３か所です。
南洋パールと言われる大粒の真珠はオーストラリア、インドネシア、フィリピン、ミャンマーなどで養殖されています。
また黒蝶真珠はおもに仏領ポリネシアのタヒチで養殖され、日本でも沖縄県八重山列島で養殖されています。

このほか、ネオンブルーが美しいパライバトルマリンはブラジルやアフリカ、ティファニーが命名したタンザナイトは東アフリカのタンザニア、世界の産出量の９割をオーストラリアが占めるオパールなど、特有の産出地域のある宝石も少なくありません。
コロナ禍で自由に旅行がしにくい今、お手元の宝石が世界のどこからやってきたのか地図で確かめ、つかの間の旅気分を味わってみてはいかがでしょうか。