サロン・ド・サセイオンモール小山店では、女性だけでなく男性からの関心も高い、アンティークジュエリーの魅力的なコレクションをご紹介しています。
このたび当店では、2020年6月7日(日)・8日(月)の2日間、19世紀から20世紀初頭にかけてヨーロッパで作られた宝飾品約300点を一堂に展示・販売する「アンティークジュエリー展」を開催いたします。
そこで今回はアンティークジュエリーの魅力について、当社とも親交の厚い宝飾史家の山口遼先生に以前お伺いしたお話をもとにご紹介したいと思います。
アンティークジュエリーとはいつごろのもの?
アンティークジュエリーの定義とは、製造後およそ100年を経過したジュエリーを指します。
19世紀後半までは電灯がなかったので、輝きに価値のあるダイヤモンドジュエリーは人気がなく、カラーストーンや真珠がもてはやされていました。
20世紀に入り電灯が街や室内を照らすようになると、光に反射して美しく輝くダイヤモンドの価値が高まります。
現代のダイヤモンドはカットの面数を増やすことで美しい光を出していますが、アンティークのダイヤモンドはダイヤモンド自体の質が高く、少ないカットでも煌めきを放つため、女性を美しく演出する夜の盛装ジュエリーとして愛用されるようになります。
17世紀のダイヤモンドはローズカットが主流で、ラウンド・ブリリアントカットが誕生するのは20世紀に入ってからです。
19世紀までの主流はルビー、サファイア、エメラルド、アメシスト、シトリン、ガーネット、パール、オパールなどの宝石でした。
カボションカットを施したものが多く用いられています。
18世紀のジュエリーの地金素材は、イエローゴールドとシルバーが主流でした。
シルバーはダイヤモンドの周囲に使用することが一般的でしたが、19世紀末にはプラチナが使用され始めます。
エドワーディアンやベル・エポック時代のアンティークジュエリーには、プラチナがおもに用いられています。
貴金属に釉薬を乗せて高温で焼き上げるエナメルを用いたジュエリーにも優れたものがたくさんあります。
製作年によって分類される様式名には次のようなものがあります。
◆ジョージアン(1714年~1837年)
愛する人へのメッセージを込めた「リガードリング」や「ディアレストリング」、ロケットに髪の毛を入れたりする「センチメンタル・ジュエリー」が流行しました。
◆ヴィクトリアン(1837年~1901年)
中世の時代のリバイバルや自然主義、耽美主義が流行します。
◆エドワーディアン(1901年~1910年)
フランスのベルエポック時期となるデザイン。
南アフリカでダイヤモンド鉱山が発見され、ダイヤモンドの人気が上昇します。
◆アール・ヌーヴォー(1895年~1920年)
ヨーロッパを中心に国際的に発展した新しい芸術を意味する美術運動。
自由な曲線と繊細なデザインが流行しました。
◆アール・デコ(1925年~1939年)
アール・ヌーヴォーとは対照的な直線で作られたデザインが流行します。
幾何学模様にダイヤモンドや色石を配し、キュビズムから影響を受けたスタイルを表現しました。
奥深いアンティークジュエリーの魅力
アンティーク・ジュエリーの面白さは、使われている素材、デザイン、作りの、三つの面で今のジュエリーにはなかなか見られないユニークな特徴があることです。
わずか100年ちょっとの間に、これほどに違うのか、そして、どうしてこれほどに優れたものができたのかと、ジュエリーに見飽きた人でも感動するほどの違いがあることでしょう。
現在の商品と違い、基本的に受注生産で作られたものが多いので、同じものが沢山あると言うことはありません。
自分だけのジュエリー、それがアンティークです。
そして、それぞれが今のものと明らかに違う、なんとも不思議な作品もあれば、恐ろしく精密に作られたもの、奇抜な素材、いまでは復元できないものなど、その背景や物語を楽しむことができるのが魅力でもあります。
アンティークジュエリーを選ぶときのポイントとは?
アンティークジュエリーの背景にはすべて物語があります。
作りや素材がいかに珍しいものか、いつごろどこで作られたのかなど、さまざまなエピソードを楽しむのがアンティークです。
ぜひ、一つ一つのジュエリーにまつわるお話しを楽しんでください。
ご自分で使いたくなる美しさや面白さのあるものが求めるべきものです。
100年の時を超えて今、あなたのもとに。
運命の出会いがありますように。
【アンティークジュエリー展2020のご案内】
◆と き 2020年6月7日(日)〜8日(月)10:00〜19:00
◆ところ サロン・ド・サセイオンモール小山店
◆19世紀から20世紀初頭にかけてヨーロッパで作られた宝飾品約300点を一堂に展示・販売いたします
◆山本富士実 G.I.A.G.G(米国宝石学会 宝石鑑定鑑別士・英国骨董協会LAPADA会員)が、パリとロンドンで買い付けたばかりの素敵なジュエリーをご紹介いたします。
イギリスの紅茶とともに、ゆったりとした時間をお楽しみください。