3月の誕生石として知られるサンゴは、日本では古くから魔除けやお守りとして用いられてきました。
良質なサンゴが採れる日本では、加工技術が発達し、ジュエリーや彫刻、念珠などに利用されてきました。
厄除けにサンゴ製品を贈る習慣もあり、厄年を迎える女性にはサンゴの念珠やネックレスなどのジュエリーを贈り、難を逃れるよう肌身につけられてきたのです。
宝石になるサンゴと普通のサンゴの違い
宝石サンゴとサンゴ礁を形成する造礁サンゴは別物で、サンゴ礁が太陽の光の届く浅瀬に形成されるのに対して、宝石サンゴは陽の光の届かない水深100m以上の深海でゆっくりと成長します。
幹の直径が1cm成長するのに50年かかるともいわれています。
サンゴのカラーバリエーション
サンゴの色は血赤サンゴと呼ばれる濃い赤から、朱色のベニサンゴ、淡い色合いのエンジェルスキン、純白の白サンゴと、さまざまな紅色のグラデーションがあります。
高知県土佐沖で採れる良質の血赤サンゴはヨーロッパでは「Tosa」と呼ばれ、たいへん価値の高いものとされています。
オックスブラッドとも呼ばれる濃色の赤は肌を白く見せ、装いをきりりと引き締める効果があります。
淡いピンクのエンジェルスキンは優しい色合いで、フォーマルにもカジュアルにもあたたかな温もりを添えてくれる、使い勝手の良いジュエリーです。
さわやかな白サンゴは、とろりとしたやわらかなトーンの白が、他の宝石にはない質感と色味で、きめ細かな日本人の肌を美しく見せてくれます。
代々使えるサンゴ念珠
サンゴのお念珠には「念が入らない」と言われており、子供や孫に受け継ぐことができる唯一の素材とされています。
長年使っても磨きなおせば新品の状態に戻ることも、代々使えるポイントです。
深海で長い時間をかけて育ったサンゴには塩分が含まれるため、仏事でのお清めの効果もあるとされています。
サロン・ド・サセでは3月6日(土)から8日(月)まで「日本の美 三大宝飾展」を開催します。
サンゴ、螺鈿、蒔絵、真珠など、日本古来の宝物として大切にされてきた素材や技法を使った宝飾品を集め、みなさまのお越しをお待ちしております。
ぜひ一度お立ち寄りください。